rastafarhn’s blog

香港について。自分が行った、見た、食べた、飲んだを紹介。好きか嫌いかは体験してみないと分からない。香港人の嫁と暮らす香港在住日本人の視点で香港を紹介します。

John Scofield

John Scofield/John Scofield

ECM 2022

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デビューが1970年代後半ですから40年以上のキャリアを誇るのですが、ここにきて自らの名前を冠するアルバムタイトル。全曲ジョンスコフィールド(以降ジョンスコ)師匠のギター1本で演奏されています。つまりジョンスコ師匠以外のエッセンスは一切入っていない訳ですから、アルバムタイトルが自らの名前であっても確かにおかしくはありません。ECMからのリリースで、どこをどう切ってもやっぱりECMな音で、54分の収録を通して圧倒的な統一感です。でも、ジョンスコ師匠の新作と知らされずにこの作品を聴いたら、果たしてジョンスコ師匠の作品であると躊躇なく答えられるか自信はありません。特に前半はあまりにもストレートな演奏で、一歩間違えば何となくお洒落なカフェ(悪い意味です)のBGMにも聞こえかねない、ある意味スリリングな展開でヒヤヒヤします。しかし、よく聴くと所々に変な(コレは良い意味で)エフェクトが入ってきて、ECM的でもあり、ジョンスコ師匠的でもある歪みを演出しているように感じます。

展開が変わるのは4曲目以降。ブルースです。ひしゃげていないクリアなギターサウンドなのですが哀愁がすごい。唄っています、泣いています、ギターが。

6曲目はMrs. Scofield’s Waltzという曲なのですが、ブルースです。悲哀に満ちたとまで言い切れない妙な雰囲気なのですが、2001年にリリースされたバージョンにはないまどろこしさがあります。その雰囲気は7曲目、8曲目まで続き、9曲目でトーンダウンしたかに見せるのですが10曲目から泥臭さを増し、最後ます駆け抜けます。後半はディープサウスかよ⁈という展開になるのですが、またしても所々に不協和音のような妙なエフェクトが入ってきます。こういうところがジョンスコ師匠が変態である所以です。

何度も繰り返すように、これは紛れもなくECM作品です。しかし、全編通して明らかにアメリカ臭さが嗅ぎ取れるところが魅力的なのだと思います。

 


Coral
Honest I Do
It Could Happen To You
Danny Boy
Elder Dance
Mrs. Scofield’s Dance
Junco Partner
There will Never Be Another You
My Old Flame
Not Fade Away
Since You Asked
Trance De Jour
You Win Again